スプウン谷のザワザワ村
来たよ。
わたしの中学の友達と、高校の友達と、大学の友達と来ている。
ほとんど接点がない4人だけど、時々一緒の時間を過ごす。不思議な感覚だ。
みんなに共通していることは何だろうか。共有できる話題がなくても会話を楽しめるところも、その一つだろう。
北海道が好きだというのは大きいかもしれない。みんなで遊びたくて集まってはいるけど、北海道が好きだから集まっているとも言える。
ゴールデンウィークに屋久島へ行って屋久杉を見てきた友達は「やっぱり屋久島より北海道だわ」と言っていた。
ほんまかいな世界遺産やで、とは言ってみたものの、まあ言えてるかもね。行ったことないけど。
だってこんなに広くて近くて高くて綺麗だもん。
北海道は手が行き届いていないものや、生活に根付いているものの美しさを教えてくれる。冬が終わって、山が色を変えるとき、洗濯したての真っ白なシャツを眺めているような澄んだ気持ちと、まだ感じたことのない新しい気持ちが、わたしの内部を満たしていく。
毎年見ていても、毎年新しい。新鮮な感情で満たされるとき、わたしはとても心地良くて、深く息を吸いたくなる。
丘陵の中の広大な農作地、箱のような小さな家。
街から出たことのないわたしには想像が及ばない生活や、そこでの生業。
分からないなりに、この土地で生きる人たちの生活に思いを馳せてみる。そこで作られた野菜やお酒を口にする。
そんな時間が大好きだ。
みんな昼寝をしている。
共に過ごす時間に、自然と昼寝が組み込まれるところがいい。
眠りたい時は心ゆくまで眠るのが最良。
今日は友達の結婚を祝って美味しいお酒を開ける。
そしてすぐ忘れちゃうかもしれない話をたくさんしよう。