世界一大切なふたりが結婚したよ
おめでとう、わたしの親友。
おめでとう、源さん。
今日は何て爽やかでいい日なんだろう。
わたしの世界一大切なふたりが結婚した。それぞれの世界一大切な人と。
大学時代に出会った、わたしの大切な大切な人。優しくて可愛くて面白い人。美味しいご飯とお酒が好きで、一緒に色んなお店に行った。
誰よりも優しいその人は、たくさんのやるせなさや悔しさを抱えて、それでもお酒を飲んで笑って泣いて生きている。
彼女が理不尽に誰かから傷つけられないような世界にしたい。傷ついてしまったら、わたしは彼女とお酒を飲んで、それからそいつを殴りに行く。容赦はしないと決めている。
彼女は嫌だ苦しい、と言いながらも看護師の仕事を続けている。世界一偉いので、世界一幸せになってほしい。
わたしが人の靴紐を結ぶのは、酔っ払ったときの彼女だけだ。
源さん、わたしの世界一大切な人の中のひとり。
5年くらい前、当時付き合っていた人と「源さんはがっきーと結婚するだろう」という話で盛り上がったのを思い出した。
2人はなんだかとても、同じくらい普通だから。そんな理由だった。
それから少しして源さんが出版したエッセイ本には「新垣結衣という人」という話があった。
「あなたは本当に素敵な、普通の女の子である」
そうだね。ねえ、おめでとう。
色んなことを思い出す。
初めての武道館ライブ。直前でのクモ膜下出血。
死んでしまったらどうしよう、こんな光みたいな人が。わたしの生活に差す光は、明るすぎず大きすぎず、時に消えそうになりながら、じんわりと熱を発してくれる。
すると誰もがびっくりするような凄まじい回復力で、わたしたちの前に戻ってきた。あの時は本当に光っていたよ、源さん。みんなが泣いていたの見えてた?わたしの隣も前も後ろもみんな泣いていたんだよ。
サケロックの解散ライブ。
悲しくて楽しくて、泣きながら笑った。みんなもきっとそうだった。わたしは源さんがマリンバを叩いている姿が大好きだ。
またいつかみんなで会おうよ、おじいちゃんになってからでも良いよ。わたしは何十年でも待つよ。
源さんが作るCメロが大好き。
源さんが作る音楽、源さんが紡ぐ言葉、源さんが人に向ける笑顔や態度が大好きだ。やさしくて切なくて、冷たくてあたたかい。
大切な曲がたくさんある。
もしもの時は そばに誰もいないよ わかるだろう
今まで会った人や 残してほしい つたない記憶も
こんなに残酷で、こんなにもやさしい。涙が出てしまう。
源さんは言っていた。
「自分はひとりじゃないけど、ずっとひとりだ」
誰よりも孤独とそばにいて、誰よりも他人を愛している人だ。
わたしは相反するようで共存するものを、隠さずに生きている人が好きなんだろう。
彼らのこれからの人生を想うよ。この生きづらい世界で、なるべく安らかな場所で生きていけるように。
おめでとう、大切なふたりへ。
今週のお題「やる気が出ない」